麻の歴史
麻の歴史は紀元前8000年にさかのぼり、BC2000年には、エジプトのピラミッドに麻の栽培についての壁画があります。
日本では約6000年前の縄文時代の遺跡より、大麻繊維や種子が発見されており飛鳥朝頃より衣類として用いられてきました。
麻の種類
麻という言葉は一口には表現しにくく、包括的な意味合いを持ちます。というのも、
日本における麻は、苧麻(Ramie)・亜麻(Linen)・大麻(Hemp)・黄麻(Jute)など
相当数となりますが、品質表示法における麻の表記は苧麻・亜麻に限られており、
その他は指定外繊維の扱いになります。近江上布の起源は大麻にありますが、
現在では主に芋麻を使用しています。
・苧麻(ラミー)は、イラクサ科に属する多年性の草本類で古くよりからむしと称される。
主産地は中国、ブラジル、フィリピン等で栽培されていますが、中国が量的に多いようです。
日本における麻の代表と言え、古くより衣類として用いられている。
・亜麻(リネン)は、亜麻科の一年草で、主産地はフランス、ベルギー等、欧米における麻の代表といえる。
・大麻(ヘンプ)は、桑科の一年草で、近江上布の起源は大麻が用いられた。
日本人との関わりは深く神事においても、けがれを祓う神聖な植物でもあるとされる。
麻の特徴
日本で麻と表記できる衣料用の代表であるラミーとリネンの特徴
1、繊維が非常に強い
麻の繊維は強靭で、水に濡れるとさらに強くなります。
2、接触冷感、通気性、シャリ感がある
接触冷感、通気性、シャリ感が抜群で、非常に爽やかです。
3、涼しい
麻の繊維は、天然繊維の中で熱の伝導性が最も大きいので、体温を奪って速やかに放熱させ、肌に「接触冷感」「涼感」を与えてくます。
4、吸湿、発散性に優れる
麻は天然の特性から、水分の吸湿、発散が早く、汗ばんでも肌にべとつかず、早く乾きます。
5、上品な光沢
リネンの生成り(亜麻色)や白、ラミーの白(絹のような光沢があり)、自然の上品な光沢をお楽しみいただけます。
6、伸度が低い
伸度が低いので、ロープとしての需要がありましたが、一部を除いて現在は合繊になっています。
7、生分解性に優れる
植物繊維のため生分解性にも優れる。
リネン、ラミーともに、毎年、年一回生育する植物で肥料、薬剤の使用も少なくてすみ、土に生まれ、土に還る「環境適応のエコロジー繊維」です。